*注意*
この作品はニコニコ動画にある
「悪ノ娘」「悪ノ召使」「リグレットメッセージ」を元に執筆しています
二次創作が嫌だと言う方は引き返す事をお薦めします。
また、レンの性格設定をヤンデレとしているので、
そういう設定に嫌悪を抱く方も引き返した方が良いかもしれません。
読んだ後の苦情などは受け付けませんので、御了承下さい。
また、レン×リンなのでその点もご注意下さい。
ついでに、無意味に長いし訳がわかりません…
設定を若干改変している為、微妙に曲の内容と違う箇所もあります。
相当変な解釈しております。すみません…
大丈夫な方は、拙い文章ですが小説を楽しんでいって下さいませ。
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君を守るその為ならば
僕は悪にだってなってやる
……そう、どんな手を、使ってでも
‐悪ノ恋情‐
「跪きなさい!」
「パンがなければおやつを食べればいいじゃない?」
「ねぇ、貴方もそう思うでしょ?」
「レン」
「はい、全くもってその通りだと思います。」
同意するとにこりと笑う。
なんて可愛い、オレの姉。
「レン。ちょっと来て」
「なんです、王女」
「このドレスの裾の部分がほつれてしまったの。直してちょうだい」
「畏まりました。王女の仰せのままに…」
「…貴方はどうしてそんなに堅苦しい言葉遣いなの?」
「それは勿論、王女を敬愛しているからです」
「ふーん…」
姉弟なのに変ねと、王女は呟く。
だって、「リン」なんて呼んだら、
自分の気持ちの制御が出来なくなってしまう。
丁寧な言葉使わないと、
自分の気持ちを溢れ出させてしまいそうなんだ。
勿論、オレは、構わないけど。
自分の気持ちを押し通して、リンをずっと縛りつけたって、全然問題ないんだけど。
でも、そしたらきっとリンは傷つく。
リンはきっと「オレだけの王女」にはなってはくれない。
…だって、リンには恋焦がれる人がいるというのだから。
「わたし、青のあの方が好きなの」
「そうなんですか」
「そうだ、お便りを出してみようかしら!ねぇレ…」
「……はい…?」
「…どうしたの、レン」
余程悲しげな表情をしていたのだろうか、リンは訊ねてきた。
確かに、悲しかった。
リンは、オレを見てくれないってこと、解ってた。
でも、そんな事言われると、駄目だ。
リンに想われる青い奴が羨ましい。
妬ましい。憎たらしい。許さない。
(許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない。
お前になんか渡すもんかお前になんかに渡さないリンのこと何も知らないくせに
ふざけるなふざけるなリンはオレのだお前のなんかじゃないオレのだ)
「いえ、きっとお似合いだろうなって思っただけです」
「あらそう?」
嘘をつくのが辛かった。
リンと結ばれるべきなのはオレだよって、言ってしまいたい。
言えたらどんなに楽なんだろう。
伝えたい。言いたい。
今すぐ、リンの唇を奪えてしまえたら、どんなに楽だろう
「…ねぇレン。緑の国を滅ぼして」
「何かあったのですか?」
「だって…だって、青い人はわたしを好きになってはくれない!
緑の国にいる女性が好きだから、ごめんなさいってお返事がきたのよ!」
「……そう、なんですか…」
「あの子が憎いの…ねぇ、滅ぼして、あの子を殺して!」
返事なんて、決まっている。
「はい。全て貴女の仰せのままに……」
「…!レン…貴方って、なんて優しいの…」
本音を言うと、オレとしては、嬉しい。
これでリンはオレのものになってくれる?
形はどうであれ、オレがリンの一番になれる?
オレはずっと、生まれた時からずっとリンが一番だよ。
緑の国だって、そのリンが嫌いな女だって殺してあげる。
オレが全部、消してあげるから。だから
「…僕がその娘を殺したら、王女は僕のものになって下さいますか?」
「え?」
「僕は王女を愛しています。娘を殺したら、僕のものになって欲しいのです」
「…ええ、いいわ。優しいレンの頼みだもの。わたしだってレンが好きだから、構わないわ」
交わした約束が嬉しい。
オレのものになる。リンが、オレのものに、なる。
リンがオレのに、オレだけの、オレだけの王女に
「ふ…ふふ…」
君を守る為なら
君を得る為なら
オレは、悪にだってなる。
どんな手を、使ってでも。
リンを手に入れる為なら、自分の手を汚すことなど安いものだ。
「あら、おやつの時間だわ!今日のおやつはなぁに?」
「今日のおやつはブリオッシュですよ」
「まぁ美味しそう!」
オレは、他の人間を何百人殺してでも
君が欲しいんだ。
その、無邪気な笑顔の為なら
人間を殺すことなんて躊躇わない。
「いやーーー!!」
「あの悪逆非道な王女の命令だ!!」
「なぜ、緑の国が、滅びて……っ」
オレは、兵を出し、更に一緒に緑の国へ行った。
オレの手で、リンを悲しませる女を殺す為。
「や、やだ…死にたくない…!」
声がする方を見る。
そしたら、以前リンと緑の国へ来た時見かけた女が腰を抜かしていた。
その女は、綺麗な顔と綺麗な声を持つ少女。
青の国のエンブレムが入った、ハンカチを手に持っていた。
そうか、お前がリンを悲しませたのか。
…一回、助けてやろうじゃないか。
助けて、話を聞いてから殺してやる。
「そこの方」
「…やっ!いや、こわい!!」
「大丈夫です、僕は殺したりしません。此方の方に井戸があるはずです、そこに隠れましょう」
「……は、はい…」
単純なものだ。
簡単に騙されて、こんなんじゃ損する人生歩むだけだぞ
まぁ、その人生ももう終わるけれど。
「た、助けてくださって…ありがとうございます」
「いえ、容易いことですよ。ところで、そのハンカチ見せて下さい」
「あ、はい、どうぞ…何か?」
「このエンブレムは、青の国のものだと思うのですが…青の国の方と何かあるのですか?」
「え?あ…青の国の方と、お付き合いしているんです」
「…どんな方ですか」
「優しく、素敵な声をお持ちの方です。……何故そのようなことを?」
「いえ、知ってる方と同じかと思ったら…その通りでした」
「あら!カイトさんをご存知なんですね!」
「ええ、知っています。………だから僕は貴女を殺します」
「え…?」
「バイバイ。リンの為ならオレはなんだってやるんだよ」
懐からナイフを取り出し、
首を切った。
その身体が、井戸の奥底へと落ちていく。
青の国のエンブレムが入ったハンカチは、オレの手にある。
ついでに、そのハンカチも切り刻んでやった。
ほら、青の国のカイトさん?
おいでよ。ここへおいで。
貴方の愛しの女性を殺しましたから、どうぞ貴方も此方へ来て、死んでください。
オレが殺してあげますから。
あの世でくらい、一緒にさせてあげますよ
「みく…ミク…!?」
「…あー、カイトさんだ」
予想通り青い奴が来た。
絶対、この女を助けに来るんだろうなと考えたのだ。
案の定来やがった。
なんて馬鹿なんだろう?本当、馬鹿。
愚かすぎて笑えないね
「お前…その、ナイフ…お前がミクを…?」
「ミクって言うんですか、見てて鬱陶しいロングヘアーの二つ括りのお姉さん」
「…!お前、ミクを…ミクを殺したのか!?殺したんだな!?」
「……オレはリンの為ならなんでもするんだ」
「リン…黄色の国の子か?」
「ああそうだよ。お前が振った可愛くて可哀相なリン王女だよ!
オレはリンの双子の弟だ。リンにミクって奴が嫌いだから消してって頼まれたんだよ」
「な…悪逆非道とは聞いていたが、あの娘はそんなに酷い事を命じるのか…!?」
「失礼な。命じたのはリンでも、やってるのはオレだよ。恨むならオレを恨みな。
……オレだって、あの女もお前も目障りだからね」
「何…!?」
「殺してやるよ。地獄であの女と一緒になりな」
ナイフを青い奴の胸目掛けて、刺した。
奴は、目を見開いて、胸から、口から血液を吹き出す。
オレにも奴の血液がかかる。
「ぐ…み……く…」
何か声を絞り出し、呟いていた。
やがてうつ伏せに倒れた
「死んだ…」
邪魔な奴は死んだんだ、リンを傷つける奴は死んだんだ!
リンを傷つける奴なんてこの世に要らない
だから殺すって決めた
今オレは、その使命を果したんだ!
「ふふ、ふふふ…あははははははあはははあははっ!!!」
これで、リンはオレのものになる
奴らを殺した、から、リンは、オレの、に
「あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははは
はははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは
はははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは
はははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは
はははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは
はははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!」
なんてしあわせなんだろう!
リンがリンがリンが姉さんが王女がリンが、
オレのに、オレのにな、って…ははははははは!!
「ふふふ…早く、帰らなきゃね…」
「王女。緑の女を殺して参りました」
「え…本当!?証拠とかはあるの?」
「あの女の指を一本切り落としてきました。これで如何ですか?」
小箱に入れた女の指をリンに見せる。
リンはちょっと怪訝そうな顔をしたが、すぐ笑って
「上出来よ。レンは本当に、優しいわね…」
リンは立ち上がって、オレの方に歩み寄りオレを抱き締めた。
ああとても幸せだ。
リンはオレだけを見てくれてるんだ…
「…これでリンはオレのになった?」
「え…?」
「あの女を殺したら、オレのになってくれるって…約束したよね?」
「え、ええ…もちろんよ。約束は破らないわ」
「じゃあなんで動揺してるの?」
「ああ、いきなり口調変わって吃驚しただけよ。さてはいつもは猫被ってたわね?」
「『王女』の前では無礼な言葉使えないからね」
「ふふ、今は『王女』ではなくただの『リン』ってことね?」
「そういうこと」
オレもリンを抱き締め返して、額にキスを落とした
リンはくすぐったそうにはにかむ。
ひとつひとつの仕草が愛らしくて、愛しい。
愛らしく可憐で、誰よりも愛しいリン。
そのリンが、今この瞬間、オレのになったんだ。
でも、幸せは長く続かなかった。
「悪逆非道」な行いに反発する愚民どもが、反乱を起こした。
「王女を殺せ!」
「王女を殺せ!」
「「「「「王女を殺せ!」」」」」
なんて愚民どもだ。
こんなに可愛いリンを殺そうとするだなんて、どうかしている。
リンが何をしたって言うんだよ?
粛清しろってリンは確かに言った。
でも、実際に殺したりしてたのはオレだ。
戦争を起こした張本人もオレ。
緑の女と青い奴を殺したのもオレ。
リンは言い出しただけで手を加えていない
全てオレ一人がやったこと
あ、
オレの、所為?
オレの所為で、リンが殺されそうなの?
「…本気かよ…っ」
リンの為にしてきたことが、リンを恨ませる原因になってたって言うの?
オレはただ、リンと…
リンと二人だけの世界にしたかっただけ
オレとリン以外は必要なかった
邪魔する奴なんて、要らなかった
だから殺してきた、のに。
そうだよ、召使のオレなんかより王女であるリンが先に目がつくなんて、解り切ったことじゃないか。
今更後悔したって、遅い。
オレは、とても残酷な真実で
リンを死なせてしまうかもしれないのだ。
嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!
リンが死ぬなんて絶対駄目だ
リンには何時までも笑っていて欲しいんだ
あの綺麗な笑顔を何時までも…絶やさないで欲しいんだ
どうやればリンを助けられる?
この広い世界で、誰よりも愛しい。
彼女を助けるにはどうすればいい?
何か方法は…
確実に、助けられる方法は…
「…あるじゃないか」
「それ」を考え付いた時、自嘲気味に笑んだ。
出来れば、ずっと二人きりがよかったけど
その事を出来るのはオレしかいない
リンの為に死ねるなら、本望だ
「レン…レン!どうしよう、国民達が…わたし、とんでもないことを…」
「王女。貴女は何も悪くありません」
「何を言ってるの!わたしの所為に決まってるわ!わたしがいっぱい、残酷なこと言ったから…」
「言ったのは貴女でも、実行したのは僕です」
「レンはわたしの言う事を聞いてくれただけじゃない…」
「いいえ。僕はきっと、貴女に命ぜられなくとも実行していたでしょう」
「どうして…?」
「……僕は、世界に自分と王女だけがいればいいと考えているからです」
泣きながらオレに縋っていたが、最後の言葉を聞いて、顔を上げて目を丸くした。
オレは微笑んで、「それ」を切り出す
「ほら、僕の服を貸してあげます」
「…!?」
「これを来て、すぐに逃げて下さい」
「な…何を…」
「大丈夫、僕らは双子だよ」
「何言って…」
「きっと誰にもわかりません」
「何言ってるのよ!!」
「…オレとリンの服を交換するんだよ」
「そ…そんな事したらレンが死んじゃうじゃない!」
「オレは、リンの為に死ねるなら構わないよ」
「だからって、身代わりだなんて…レンが死ぬんならわたしも一緒に死ぬわ!」
なんて嬉しい言葉を発してくれるんだろう
オレはリンを一層強く抱き締めた。
「有難う…オレだって、出来ることなら心中したいよ」
「じゃあ…」
「でも、リンの笑顔はずっとこの世に残っていて欲しいんだ」
「どういうこと…?」
「リンにはまだ生きていて欲しいんだ」
だって、オレの所為で死なせてしまうなんて嫌だから
オレだってずっとずっとリンと一緒にいたいけど
きっとオレは、狂気に駆られてしまっているから。
このままだと、リンと自分の為にまたいろんな人を殺してしまうだろう。
「…レンは、決意を変えないのね?」
「うん。言ったじゃん、リンの為に死ねるなら本望だって。この決断に後悔しないよ」
「ごめん…ごめんなさい……っ」
「泣かないでリン。愛してるよ」
「わたしも…レンがだいすきだもの…」
お互いの服に着替え、髪型も変えた。
これでリンはオレになり、オレはリンになった。
民衆達が階段を駆け上がる音が聞こえてくる
そろそろ、潮時なのだろう
全ては狂気に駆られ病みきってしまった自分が悪いのだ。
リンと生きれないのは正直悲しいし寂しいけれど
死ぬべきなのはオレで、
生きるべきなのは、リンなのだ。
だから、オレがリンの代わりに、リンの為に死ぬんだ。
「ほら、もう行きな」
「や…やっぱり一緒に逃げましょうよ!今なら間に合う筈だわ!」
「今助かっても、愚民どもは王女を見つけるまで探し続けるはずだよ
そしたらリンが捕まる可能性の方が高くなる」
「…わかった。レンが、そこまで言うのなら…」
リンは泣きながら謝り続け、扉に駆け寄る
オレは手を振って見送っていた。
扉の前でリンは立ち止まり、振り向いて、涙が残っているながらも満面の笑みで、
「有難う、レン。愛してるよ」
そう言って、扉の向こうへと消えて行った。
「……くそっ」
オレがもっとしっかり考えて行動していれば
自分勝手に行動していなければ
オレとリンは、離れ離れにならずに済んだ?
もっとずっと、一緒にいれた?
リン、オレひとつだけリンに謝らなくちゃ。
オレは、リンが好きだった青い奴まで殺してしまったんだ
最期まで、言えなくてごめん。
愛してるんだよ、リン
リンだけが、オレの大切な人で、愛しい王女で、強い絆で結ばれた姉で。
オレは、リンの全てを、愛してるんだよ…
「いたぞ!」
「極悪王女め!すぐに捕らえろー!」
「……この、無礼者!」
「何ほざくんだこの悪魔!血も涙もない奴だな!」
「や、めなさい…離しなさいよ!」
ふざけるな、どっちが悪魔だ
どっちが血も涙もないんだよ
リンのことを勝手に勘違いするな、全てはオレの所為だ
今直接言われてるのはオレだけど、ちゃんとオレの名前を言って侮辱しろ。
リンを悪魔とか言うな。
リンを悪魔とか言うな。
リンを悪魔とか言うな。
リンを、オレの大切なリンを…
なんて無礼者なんだ!
「…ものは…」
「?」
「無礼者は粛清してしまえ!」
拘束していた一人の男を思いきり蹴り飛ばし、頭を踏みつける。
男は苦しそうにうめいている。
すぐさま他の愚民どもが駆けつけ、大人数でオレを完全に拘束する。
なんて奴らだ
か弱いリンを、こんな汚い言葉を吐きながら捕らえようとしてたのか?
最低だ。
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死んでしまえ
なんて自分勝手な感情。
さっき自己嫌悪になっていたのにも関わらず、同じようなこと考えてるだなんて
オレは、どうかしてしまったのだろう。
「リンは…何もしてないのに…」
「何言ってんだ!少し黙っていろ!」
「全部オレが…」
「静かにしていろ!」
そしてオレは、牢屋に閉じ込められた
不思議と客観的な気分だった。
王女の振りをした召使は、囚われ牢に入れられる。
彼は何を思うのだろう、と。
「リン…」
彼―――オレは、リンのことをずっと考えていた
ちゃんと逃げられただろうか
心配でたまらなかった。
不意に昔のことを思い出す。
オレ達は生まれた時から一緒だった。
皆、オレとリンの誕生を祝福してくれた
このまま幸せな時が永遠に続くと、思っていたのに。
『男などいらないわ』
『この国は女が国を治めると決まっているのよ』
『男なんて必要ない』
『レンなんていらない』
『リンだけでよかった』
『何故双子など産んでしまったのかしら』
『どうしてお前は男なのかしらね』
母親のその言葉の所為で、オレとリンは引き裂かれた
リンは王位継承者、オレはリンの召使。
オレは不遇な扱いを受け続けた。
オレはずっとリンと一緒がよかったのに。
勿論召使としてでもリンといられる。それは確かに幸せだった。
でも、姉弟としてはいられない
オレとリンでは元々住む世界が違ったんだ。
オレはそれに耐え切れなかった
リンを愛していたから。
9歳の頃、オレは母親を殺した。
王宮は混乱し、暗殺した者が何者か推察し続けた。
オレは、まだ9歳だったからなのか疑われることはなかった
暫くはリンにずっと付いていて、二人だけでいられる時間が得られた。
それは、とても幸せで
自分の罪すら忘れていた。
でもある日………
「リン様。今日から貴女様がこの国の頂点に立つ、女王様で御座います」
「…わたしに、出来るかしら…」
「大丈夫ですとも。リン様は素敵な方です。まだ11歳だなんて思えません」
「…お願いがあるわ」
「なんでしょう」
「わたしが成人するまで『王女』のままでいさせて。女王はお母様ただ一人だもの…」
「わかりました」
リンと大臣のそんな会話を耳にした。
今日から、正式に…「王女様」だなんて…
もう、オレだけのリンじゃ、なくなるの…?
そんなの嫌だった。
オレのリンなのに、ってずっと思ってた。
「王女」は、皆平等に扱わなきゃいけないから
「オレ」だけを見てくれるなんて、有り得ないことだと思った。
嫌だ…嫌だ、嫌だ嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ。
邪魔な母親が死んだと思ったら、こんなことでもオレ達は引き裂かれてしまうなんて
考えたくなかった。
そんなのは嫌だった
やがて、リンは正式に「王女」となり国の統治を始めた。
オレは変わらずリンに付きっきりで、やっぱり一緒にいれるのは嬉しかった。
リンの愚痴もよく聞いた
「あの商人はなんなの?全く、立場をわきまえて欲しいわね!」
「図書館の管理人は最低よ。わたし宛てに、王女なんて役不足だと頼りを寄越したそうじゃない」
「なんなのあの小娘は!粛清されたいのかしら!」
オレは、リンが嫌いだと言っていた者達を皆殺した。
リンは驚いていたけど、
「王女の為にしているんです」
「…そう。有難う、レン」
綺麗な笑顔でそう言ったから
オレはその行為を止められなかった。
そのことで、こんなに問題になるなんて。
リンは小言で言う程度だって、王宮の者達は皆知っているはずだったのに
何故民衆達に誤解されるような態度を取ったのか?
オレがやってるって、きっと殆どの人間知っているはずなのに。
なんで…なんで、リンを守ってくれなかったんだ?
結局、リンを守れるのはオレだけだったのかな。
最初から、オレ達の味方なんていなかったのかもしれない。
…いや、オレだけにいなかったんだ。
リンの味方は母親だったんだ。
その、リンの味方をオレは殺したんだ…
「ごめん、リン…」
リンの大切なものばかり奪ってきて、何が「リンを愛してる」だよ
信じられないくらい、愚かなオレ。
死んで正解なのだろうな。
でも、リン…
これだけは、想わせて。
「リン…愛してるよ、リン…本当に愛してる…
リンだけが、オレの大切な人で、王女で、姉さんだよ…」
リンが好きすぎて、狂って、病み上がったオレの心
ただ、「殺す」ことしか出来なくなっていた、愚かなオレ
それでも、狂っていようと病んでいようと愚かだろうと、
リンを愛する気持ちは、確かなものなんだよ…
「処刑台へ行くぞ。3時にお前の処刑を行う」
「……ええ」
―――さようなら、愚かなオレ…
王女の処刑は、ギロチンによる公開処刑だった
「おう…高い」
オレは、台に固定されたまま街を見下ろした。
その中に、いつものような綺麗なドレスではないけれど、
美しくて、哀しげなオレと同じ顔を見つけた。
「リン…」
来て、くれたの?
絶対こんなところ、来ないと思っていたのに
…嬉しいな、最期にリンを見れて死ねるなんて。
リン、オレ、君に謝らなきゃいけないことがたくさんあるって、やっと気付いたよ。
母親も殺したし、青い奴も殺した。
勝手な行動をして、リンを傷つけた。
そういえば、リンが王女に成り立ての時、ティアラがなくなった時あったよね。
それ隠したのもオレだったんだ、ごめんね。
本当に、ごめんね。何度謝っても足りないけど、謝り続けるよ。
許さなくてもいい。ただ、謝りたい。
ごめんね。ごめんね。ごめんね。ごめんね。ごめんね。ごめんね。ごめんね。ごめんね。ごめんね。
だけど、リンが大好きなことだけは、許して………
あ、鐘、鳴っちゃった…
「あら、おやつの時間だわ」
もしも、生まれ変われるなら、その時は、また―――
「嫌…や、嫌だ…嫌、嫌、嫌ぁ!いやよ、そんなの嫌!いやあぁ!!
嫌よ、信じない…いや、いやだよ、いやだ…嫌だよレン…」
わたしは、ずっと泣いていた。
大好きなレンが死んでしまった。
わたしの身代わりで、処刑された。
そんなの嫌。レンは、何も悪くないのに、どうして?
こんな結末、酷すぎる。
「レン…すきなの。だいすきなの…愛してるの…
戻って来て…わたしは、あなたと二人で生きたい…」
こんな願い叶う訳ない。
人が生き返るなんてことは、有り得ないこと。
でも、それでも願ってしまう。
叶うことのない願いを、海に流してしまうの。
きっと、届けてくれるのを信じて。
「ねぇ、レン…わたしの願い、聞いて」
もしも、生まれ変われるならば、
「その時は、こんな関係じゃなく、もっと…対等な立場でさ、
普通の『きょうだい』として、一緒に…また、遊んでね……」
神様
わたしの願いを届けて下さい。
涙と後悔が詰まった、この小瓶を、彼のいる所まで流して下さい。
『生まれ変わったら、レンとまた遊びたい。二人でずっと一緒に過ごしたい』
「だいすきだよ……レン」
「レンちゃん、レンちゃん!」
「んー?なんだよリン」
「おやつ食べよー!」
リンがオレを引っ張って、リビングまで連れていく。
こんなことはもう日常茶飯事だ。
リンは滅茶苦茶笑顔で鼻歌うたいながら歩いてる。
…まぁ、リンがにこにこしてるんならなんでもいいとは思うけど。
「あ、あのねレンちゃん。リン、よくわかんない夢見たのー」
「は?夢?」
「そう!リンがなんか…お姫様?みたいなので、レンちゃんが庭師さんみたいな感じで!」
「…オレ、庭師なの?」
「庭師だかわかんないけど…あ、あれ!執事的なやつ!」
「召使みたいな…?」
「それだ!…でー、なんかレンちゃんがリンを庇って殺されちゃうの。
リンは『生まれ変わったらまた一緒におやつ食べたい』って願って、それで終わったー
ね、よくわかんないでしょ?」
「…まぁ、よくわかんないけど、リンの願いは叶ったみたいだしいいんじゃない?」
「…うん、そうだよね!ってことでブリオッシュ食べよう♪美味しそー!」
リンが言った夢は、オレも見た事がある。
それをリンも見たってことは、きっと「前世」とか言うので実際にあったのだろう。
そして、「生まれ変わったら、一緒に遊びたい」っていう、オレとリンの願いは、叶ってるみたいだ。
もう、前世みたいな哀しいことにはならない。
ずっと、二人で一緒に過ごすんだ
「レンちゃん、どしたの?食べないの?」
「ん?食べるよ」
「何考えてたのー?」
「うーん、さっきの夢のことー」
「何か気になることあった?」
「特にないよ。ただ…」
願いを叶えてくれて有難う、神様。
fin...
*あとがき*
疲れた…orz
何故無駄に長いんだ…もういろいろ、纏まってない箇所が大すぎですみません。
ってゆーかめーちゃん出てなくてまじごめんなさい!
なんか…なんでいないのかすらもわからない(涙)
王女を捕らえた人達の中の誰かがめーちゃんだと思います…うわぁんなんでほんといないのお予想外だよお
とりあえず、最初ヤンデレンをコンセプトに書いてたのに
話が進むに連れてヤン要素が消えてゆきました。不思議!
とりあえず悪ノシリーズもヤンデレもだいすきなのでレンを病ませてしまいました。
いろいろ賛否両論な感じですけど、この作品が大好きだからこそ書いてしまいました。
とりあえずハッピーに終わらせたかったので生まれ変わらせてみましたが…
絶対みんなやってそうなネタです…し、仕方ない!曲にもあるんだから仕方ない!
とにかくもこの曲を作ってくれた悪ノP様に精一杯の感謝を込めて。
また、最後まで読んで下さった方、本当に有難う御座いました。